初めての予定帝王切開体験記は思ったより楽だった話

シンガポール子育て

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はじめての帝王切開記録を時系列で。帝王切開が決まった時から、恐怖心と共に、帝王切開関連のブログを読み漁ったので、どこかでこれから予定された帝王切開に恐怖で怯えている人に少しでも安心を与えれたらな。

予定帝王切開になった理由

赤ちゃんがずーっと逆子だったのもあるけれど、私の場合はそれよりも胎盤が子宮の中で二つにわかれてついていて、1つがちょっと変わった位置にあり赤ちゃんが回転することはないと判断され、結構早い段階から帝王切開で出産することが決まった。

予定日の8月3日よりも2週間以上早い7月17日に予定帝王切開での出産が余儀なくされる。

ちなみに手術の日は、赤ちゃんの成長と、先生の予定と、私の週末をはさまずに金曜日に産んじゃいたいという希望とを合わせながら、「7月17日金曜日」に決まった。

予定帝王切開前日

前日の7月16日木曜日 午後2時に病院入り。

病院の決まりで、帝王切開の場合は、前日、手術当日、翌日とが帝王切開用の個室が用意された。あとは個室の空き次第で、それ以降私は4人部屋大部屋になった。

荷物を整理してから、看護師にシャワー室のありか等の説明を受ける。

その後あそこの毛を立ったままそられるという辱めをうけ、赤ちゃんの心拍と私のお腹の張りを確認するノンストレステストを受けるモニターを約40分ほどつける。

午後4時に先生から手術の説明を受け、同意書等にサインする。

午後6時 夕食はカレーとサラダとグレープフルーツ。看護師に「最後の晩餐だよ」と笑いながらお盆を渡され、「最後の晩餐がカレーなんて庶民的な。」とさみしくなる。

午後7時、付き添いで来ていた母親が帰った後、とてつもなく変な気持ちになる。果たして本当に私のお腹の中に人間は入っているのか、もし麻酔がきかなかったら、もし私が手術中死んだら、もし、もし、もし、の不安が次々と浮かび、それを無理にかき消すという一人遊びを永遠と繰り返す。

シンガポールにいる旦那とメールをしたり電話をしたりしながら時間をつぶしながらも、その日はほとんど眠れず。

夜勤の看護師が睡眠導入剤をくれるが、なぜか意地を張り飲まずに隠す。全ての感情が入り混じり、壊れそうになる心をもてあそんでいると、朝が来た。

予定帝王切開当日

手術時間は午後12時。私の人生の一大イベントを、午前と午後の外来のあいまに行う気らしい。

当日の午前中までシャワーに入れるといわれていたので、午前7時シャワーをあびる。術後3日間はシャワーをあびれないため、感傷的になりながら体を念入りに洗う。さようなら、大きなお腹。このお腹に未練はない。

午前10時から点滴開始。

当日浣腸をして便を出す、というブログをみかけたけど、浣腸はしなかった。

食べられない時間

手術が午後12時からで、当日の午前8時までは食べ物飲み物OK.

その後絶食、午前9時までは飲み物だけOKだった。

 帝王切開本番

午後12時予定開始を10分ほどすぎて、看護師が呼びに来る。その時私はすでに渡されていた手術着とシャワーキャップのような帽子をかぶっている。

手術室までは点滴をしながら徒歩で移動。

母親と父親が手術室まで見送る。

無機質な手術室に入るとき、緊張マックスの中、手術室入口のホワイトボードに、私の名前、その横に「高齢出産!!ハイリスク!」と注意書きが。

それをみた瞬間、緊張感は消え、切腹の準備ができた。

狭く硬いベッドに寝かされ、10名ほどの看護師ができぱきと準備を進める。

硬膜外麻酔を背中に打つ。全く痛くない。

その後先生が、これは冷たいか、と確認してきた。冷たくはないがこんなにも感覚はあるんだ、と怖くなり、冷たい感じがします、麻酔足してください、と懇願するも、そんなわけないと軽くあしらわれる。

それでははじめまーす、と軽い口調のあと、お腹が切られはじめたらしいが、全くの無痛。お腹を切られてから5分後くらいで赤ちゃんが取り出される。

おギャーという泣き声を聞いた瞬間、涙があふれる。看護師の一人が「ちゃんとハーフの顔してますよー」と私にいらぬ報告をしてくる。

赤ちゃんと記念撮影をしてから赤ちゃんは連れ去られ、全身麻酔にきりかわる。この全身麻酔に切り替えるときの注射が一番いたかったもしれない。

ピリピリっとした感覚で、いたたたた、と思っているうちに記憶が飛ぶ。

名前を呼ばれて我にかえったときは、まだ手術室にいた。手術がおわったらすぐに起こされたらしい。

ここから私の第二の人生がはじまる。

帝王切開術後

その後ストレッチャーで部屋に連れて行ってもらい、そのまま個室のベッドに移される。

酸素マスクをつけている私は、頭がぼーっとしているけれど、痛みはここでもゼロ。

術後1時間後くらいから熱が38度5分まであがるが、これは普通のことらしい。

その日は寝たきり。飲み物は術後6時間後から、食べ物は翌日のお昼から。

飲み物を飲める段階で、飴をなめてもいい。

硬膜外麻酔は術後2日間つけっぱなしで、痛くなったら麻酔を自分で追加していける仕組みになっているので、痛くないのにどんどん足していった。

翌日、トイレまでの歩行練習。自分の足が自分のものではない感覚が怖い。足がかくかくしておもしろい。重病患者になったよう。でも痛みはない。

トイレまで歩いておしっこをするように言われ、おしっこをする。痛みはない。

術後最初の食事はおかゆだと思っていたらうどんだった。おかずも普通に固形物。流動食を想像していたので、うれしい。でも案外食欲がない。

足にはずっとむくみ防止のマッサージ機がつけられている。

3日後からシャワーを浴びれた。体は日に日に回復していく。

入院期間は合計8日間。

まとめ

帝王切開は、術中も術後も驚く程痛みがなかった。

一番痛かったのは、局部麻酔から全身麻酔に切り替える注射かもしれない。

あと、術後で一番つらかったのは足のむくみ。足の指までむくみがひどく、不快感が続いた。

これから帝王切開を受ける人で、恐怖感が抜けない人は、私と同じように色々な体験記やブログを読み漁っていると思うけど、昔と今で手術の方針や麻酔の種類も違うので、10年前に書かれたブログなんかはあまり参考にしないほうがいいかもしれない。

絶食絶飲の時間も、今は昔よりも短くなっているし、浣腸も今はほとんどの病院でしないらしい。

あと、予定帝王切開なのに、緊急帝王切開をした人のブログを読んでびびる、というのもやめたほうがいい。予定帝王切開はちゃんと麻酔科の先生がついているけど、緊急で行う帝王切開は、麻酔科の先生でなくても打てる種類の麻酔を打つことが多いので、術後つらいらしい。

もちろん個人差もあるけれど、今回の出産を経て、予定帝王切開で打ち勝つべきは「恐怖」なのかもと思った。

私は妊娠中、「出産」をゴールとして、帝王切開が感動的クライマックスだと信じていた。

出産を終えた後は、小さな命を目の前に突き付けられ、あたふたとした毎日が始まるけれど、恐怖に打ち勝つ先に待つものは、あわただしくもとんでもなく幸せな毎日だよ。

Cocoaプロフィール
cocoasan

2014年、旅行でたまたま訪れたシンガポールに魅了され、32歳で現地採用の銀行員としてシンガポールに移住しました。現在は、フィットネスジムを経営する夫を手伝いながら、シンガポールで子育てをしています。

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