お酒を断ってから100日が過ぎた。
全くのしらふを100日も続けていると、「ほろ酔い」の気分がどんなものだったかも、もう忘れたけれど。
飲んでいた頃は、平日は週に2度ほど、ビールと赤ワインを1杯ずつくらい。
週末は、予定がなければそれよりも飲み、予定があると調子に乗ってもっと飲んだ。
子供が産まれる前に比べれば、ものすごく多い頻度でも量でもなかったと思う。
それでも、いつもお酒は私の心の中にいた。
家にワイン、まだあったっけ。
ビールは冷えてたっけ。
そんなことを、いつもどこかで考えていた。

疲れた日は一人で飲みたくなり、特別な日はもちろん飲み、人と集まるときは酒なしでは語れず。
子供と二人の外食でも必ずお酒を頼んでいたし、会社で嫌なことがあった日は、一人で1杯飲んでから帰宅することもあった。
お酒を辞めてから、よく眠れるようになったとか、疲れにくくなったとか、そういう分かりやすい変化はもちろんある。
でも、一番大きかったのは、酒のことをいつもどこかで考えている自分から解放されたことだと思う。
禁煙をしたときも、そうだった。
今から行くレストランって、喫煙だっけ。
テラス席だったら吸えるんだっけ。
今日集まるメンバーは煙草吸うっけ。
煙草もう少しでなくなるから、買い足さないと。
吸っていない時間まで、煙草のことを考えていた。
そして煙草を辞めたとき、その思考ごと消えた。
あのときの感覚と、よく似ている。
酒のことを考えなくなったので、そのぶん資格などを取り、もっぱら勉強に励んでいるのです、なんて言えば素晴らしい人間になるのかもしれないけど。
別にそんなことはない。
今はただ、凪の中にいる。
飲みたくなるので外食もしたくないし、集まりにもほぼ参加しなくなった。
昔の私に言わせれば、「ノリ悪いじゃん」という日々を、淡々と過ごしている。
お酒を辞めたら、何か劇的に変わるような気がしていたけれど、待っていたのは実に単調で、味のない毎日だった。
でも、この単調な毎日を全身全霊で好きなもんだから、全くもって酒なし生活がやめられない。
茶やコーヒーを飲みながら、趣味のブログを書くこと。
小説を読み進めること。
子供の遊びに全力でつきあうこと。
前はそんな時間のどこかに酒があった。
今は、ない。
それだけで自由になった自分が、やめられない。
