常夏シンガポールより

現地採用でシンガポール渡星。シンガポール在住イタリア人と国際結婚。現在シンガポールで子育てしながら旦那と会社経営しているKOKOAの日常。

生後2か月の赤ちゃんを動物園に連れて行くのは、大人の自己満でしかなかったかな。

そうだ、旭山動物園に行こう!

私と孫がシンガポールに帰るまでに、孫との思い出を一つでも多く作りたいと言っていた父親が、まるでJR東海のCMさながらに、昨日「そうだ、旭山動物園に行こう!」と言い出した。

風邪気味で朝から何度も鼻をかむ私の体調は気にせずに、まだ寝ている孫に向かって、「じいじと一緒に動物見に行く人~。」と声をかけていた。

 

10年前の冬に一度行った旭山動物園は、ペンギンの散歩やライオンに餌をあげるもぐもぐタイムなどを見れて、大人でも大満足した日本のトップに登り詰めた旭山動物園。それからも人気は留まることを知らず、東京ディズニーランド並みの混み具合だというのを聞いていたが、さすがに今はコロナ禍で、海外からの団体客もいないはずだろう。

父親のナイスなアイディアに、私も鼻をすすりながら賛同した。「そうだ、旭山動物園に行こう!」生後2か月の、赤ちゃん連れで!

旭山動物園

北海道の秋晴れの空の下、動物園は、マスク着用の家族連れで、まあまあ混んでいた。ざっとみ、うちの赤ちゃんは最年少。こんなに小さな子連れはどこを探しても見当たらない。

 

途中、ハシブトガラスという名の、見かけはただの太ったカラスを展示している檻があった。カラスの習性を知り、共存するための展示だという。

「カラスと共存なんてしたくないよねー。」「うちのまわりにいるうるさいカラスを、ここで展示してほしーわ。」と母親と話しながら素通りしていると、「わあ、珍しいカラス!カラスにも色々な種類があるんだね。見てみよう。」と言いながら小走りでカラスの檻に近づく若い女子。うしろからはさわやかせいねん。

あきらかに、彼とのデートで「私は何にでも興味があるのアピール」をしている女子に、ああ、私も昔は猫アレルギーで猫なんて嫌いなのに、男の前では「野良猫さんかわいそう」、なんて言って近づいて、威嚇されたりしたよな、と懐かしい気分になった。

 

 

カラスもキタキツネも、フクロウも、鳥類も、猿やチンパンジーなんて小物は素通りし、かばやペンギンや、トラやライオン、白熊にアザラシを間近で見て、大満足だった大人たち。

ほぼ寝てるかぐずってるかの赤ちゃんと動物の写真を撮るので私たち大人3人(私、父、母)は我を忘れた。

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ペンギンにキスされてるみたいな写真がとれた!と喜んだり、

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赤ちゃんが赤ちゃんアザラシを見てる写真が撮れた!と喜んだり、

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泣いてる我が子はおかまいなしに、カバと一緒の写真を撮ったり、

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ライオンさんに似ている写真が撮れた!と大盛り上がりだったバカな大人3人。

そうして悪夢が訪れる

旭山動物園のクォリティーの高さと、赤ちゃんとに動物達とのナイスショットを撮れたという満足感で、私たちは帰宅した。帰りの車の中でもおとなしく寝てたから、楽しかっただろうね、なんてことを話しながら。

そしてその日の夜、赤ちゃんは超絶ぐずった。寝そうになっても起き、寝そうになってもまた起き、を繰り返し、風邪気味の私は困り果てた。

寝そうになった我が子をベッドに置こうとすると必死で私にしがみつき、怯えたように何度も泣いた。疲れ果てて寝て、悪夢にうなされたように奇声を発してまた起きる。

明らかに、昼間に見たライオンが、ペンギンが、白熊が、アザラシがトラウマになっているようだ。娘の怯えた顔をみるたびに、私は、大人たちの自己満足を恥じた。

 

ごめんね、動物園なんてまだ早かったよね。子供の喜ぶ場所と、赤ちゃんの喜ぶ場所はちがうよね。

父親に「明らかに動物園は早かったみたい。」と話すと、「そうか、じゃあ次は遊園地だな。」と言った。大人たちの自己満足になろうとも、もう少しで離れ離れになる孫と思い出を作りたい父親の気持ちを考えると、少し切なくなる。