母が70歳になった。ひいき目にみても10歳以上は若くみえる。
美魔女ではない。美容に気を付けているわけでも、食事に気を付けているわけでもない。運動はせず、酒を飲む。
1人で飛行機を乗り継ぎシンガポールに1年に2度は遊びに来るし、夜中到着の便でも、疲れ知らずだ。
母の生きる糧となっていた仕事を辞めると聞いたとき、私はとても心配だった。急に老け込んだらどうしよう、なんて。
心配無用、母は抱えてたストレスを手放し、さらに元気になった。
友達が多いわけではない、趣味があるわけではない、推しがいるわけでもない。
なのになんであんた、そんなに日々楽しそうにしてられるのさ。
この前弟家族とみんなで実家に帰った時も、孫3人と体を使って遊び、車を運転して遊びに連れていき、私も弟も大人が疲れきったあとに、家事をこなし、翌日の計画をまくしたて、そのあとにビールを飲みながらネトフリみてた。
え、なに?不死身なの?体力おばけかなにか?
年をとってくると、今日元気でも、明日が元気ってわからないからね、なんて思いを抱いてきた。
母親がシンガポールに遊びに来れるのは、これで最後かもしれないな、急に体にガタがきて、飛行機に乗りたくない、なんていうかもしれないな、なんて。
いまのところ、そんなことはない。今すぐにでもシンガポールに行きたい、と体を前のめりにして待っている母。
若さのひけつ、それは欲望になるべく正直に生きることなのかもしれないね。
おいしいものを食べたい、それに合うお酒を。
楽しいところに行ってみたい、孫や子供に会いたい。
怒りを表し、喜びを表現し、悲しいときには泣き。
もうちょっと大人なんだから、ちょっとは落ち着こうよ、なんて思ってた母の感情表現も、若さにつながっているのかな。
あと、もう年だからという自虐をしない。
70歳でもあなたが楽しそうだから、年を重ねるのが楽しみだよ。
元気はつらつ70歳。
