COCOA'S BLOG

常夏シンガポールより発信中

経験は、死ななない。

小学生の頃、縄跳びが得意だった。学校行事の縄跳び大会では、一位にはなれなくても、かなり最後のほうまで跳び続けた。

 

先日、娘がお友達から縄跳びをもらって喜んでいたのはいいが、もちろん跳べない。ママできる?と聞かれ、できるかなあといいつつ縄跳びを跳んだら、できた。

 

あれから30年以上の時が流れ、縄跳びなんかただの一度も触ったことはなかったのに、体は覚えていたのだ。

小学校の体育館を思い出す。全校生徒数百人が体育館に並べられ、よーいドンで縄跳びを跳び始める。

 

つまづいたら座っていく。座っていく生徒が多くなってくのに、自分はまだ跳び続けてることへ抱いた優越の感情さえ。

 

「二十跳びはできるのか」と横で旦那が、できないだろうが、という顔で聞いてきた。

 

よくぞ聞いてくれました。私はなにもいわずに、二十跳びを披露。

 

「手をクロスしながら跳ぶ、ばってん跳びはできるのか」、と旦那がさらに難易度をあげてきたので、そちらも披露。

 

旦那と娘と私しかいない家の中が、歓喜で包まれる。

 

目をまんまるくしながら、こちらを見てくる4歳児。「ママ、すごい。。」

 

そして先日、公園で遊んでいると鉄棒があったので、縄跳びで調子にのっていた私は、さっと逆上がりをしてみせた。

 

そうすると、公園で遊んでいたほかの小学生たちがわっと集まってきて、ワーオと人だかりができた。

 

私は子供たちにかこまれながら、逆上がりを何度もせがまれる。

 

逆上がりができないのが、クラスで私だけで、親と一緒に近くの公園で練習した日々がよみがえる。

 

うまくコツがつかめなくて、足がびよんとのびてみっともない恰好になる中で、父と母が根気強く一緒にいてくれたこと。夕暮れの空気感。

 

逆上がりだって、30年ぶりにやったんだよ。それこそ体はめきめきと音をたてて崩れそうだったけど、コツはちゃんと覚えてた。

 

体がふわりと宙に浮き、一瞬地球を回って同じ景色が目に入る、この感覚を。

 

だから、経験は死なないんだ。いつかどこかで役に立つ。

 

縄跳びも逆上がりも、できたからって、なんの特にもならないかもしれないけど、時を超えてその時にがんばったことや、くやしいと思った気持ちは必ず役に立つ。

 

これから娘が経験を積みあげていく過程で、自信を積み上げていってほしい。

 

数日後、ローラーブレードに乗った子供がでてくるYOUTUBEをみながら娘が「ママ、これはできる?」と聞いてきた。さすがにこれはできないよね?って感じの挑戦的な顔で。

 

ついにこの時がきてしまいましたか。

スキー部の夏の特訓で、ローラーブレードをはいてストックをつきながら、坂道を滑らされた、あの地獄の合宿が日の目を浴びるこの日が。

 

何度も坂から転げ落ちたあの日々を思い出しながら、

 

「できるよ」

 

クールに言いながら、さっそく、ローラーブレードが売ってる店を検索した。