COCOA'S BLOG

常夏シンガポールより発信中

毒親の定義

旦那は、自分の母親のことが苦手だ。褒められたことがないとか、抱きしめられたことがない、と言っていたのを、私は聞き流していた。

 

私は言葉も通じないし、たまにしか合わないので、全然気になったことはないので、常に旦那に言ってきた。

 

お母さんなりにあなたを愛してるんだよ、と。もう大人なんだから、割り切って付き合っていきなよ、と。

 

これ、毒親に育てられた子供が他人からよく言われるやつらしい。

 

今回、旦那の母親がシンガポールに10日間滞在して、私はやっと旦那の今までの孤独や、葛藤を理解した。

 

義母は、毒親だ。

 

私の母親は、70歳になって少し落ち着いてきたものの、それはそれは感情的な人で、私は何度も傷ついたし、嫌な思いもした。

 

では、なぜ私の母親は毒親でなくて、義母は毒親なのか。なぜ私は大人になって母親のことが好きで、旦那は自分の母親を嫌いなのか。

 

毒親の境界線は、何かあったときに子供を守ろうとするか、否か、なのではないか。

 

以前旦那が、義母の妹の息子(旦那にとってはいとこ)から詐欺にあったことがあるんだけど、その時、義母は旦那を守らなかった。

 

波風立てることを恐れ、旦那に「全て忘れなさい」、と言い、自分の妹ともその息子とも普通に接することを強要した。

 

もしこれが私の母親だったら。もうやめて、というまで相手と戦うだろう。それがたとて、自分と血のつながった、弟や、妹であったとしても。

 

私の母親は、不器用ながらにがむしゃらに、子供を絶対軸として愛し、守ってきた。

 

今回義母が私たちの住んでいるテリトリーに入ってきて、私は彼女を学んだ。

 

私の娘がYoutubeを見ているととりあげたり、ごはんをもったいなから残すな、と言ったり。一緒に遊んだり、思い出を残そうとするよりも、たった10日でしつけの真似事をしてた。

 

私が、娘は絵を描くのが好きなの、というと「でもこの子は走るのが遅い」と言ったり、娘の友達であるほかの子供を大げさにほめたり。

 

たぶんこの人は、孫のことを守らない。

 

もしも、孫になにかあったとき、彼女は私と旦那に言うだろう、すべて忘れなさい、と。

 

義母なりに、愛はあるのだろう、ただそれは不確かだ。

 

こんなこともあった。義母がシンガポールに滞在している最中、旦那が食中毒になり、数日間寝込んだ。朝から晩まで吐き続けて、苦しそうにしていたのだ。

 

そんな時、事情を知らないイタリアにいる義母の妹がビデオ電話をしたいと言ってきて、義母は、慌てて寝込んでる旦那を起こしに向かった。ドアをノックして、さあ、ビデオ電話するわよ、と。

 

私ははじめ、なにかの冗談かと思った。なんで今なの?あんたの息子、食中毒で寝込んでるのあんた知ってるよね、と困惑した。

 

義母は大真面目で、妹がビデオ電話したいと言っているの、彼女にとって自分の息子は甥っ子なの。今すぐビデオ電話で顔を見せてあげたい、と。

 

あんたなんで妹にそんな低姿勢なの?弱みでも握られてるの?って感じだけど。

 

結局私が絶対にダメ、と言い続け、ビデオ電話はしないことになったけど、義母はあきらかに私に怒っていた。

 

兄弟も父親もいなく、この母親に育てられ、とずっと2人で暮らしてきた、旦那の孤独と葛藤を想う。

 

毒親って言葉でひとくくりにしてしまうと、暴力をふるう親、とか、アル中とか、無職とか、風俗にはまってるとか、社会的脱落者的な感覚があったけど。

 

そんなんじゃなくたって、子供の気持ちを大切にせずに、自分の子供や孫だからといって好き勝手にコントロールしようとするのは、立派な毒親だよ。

 

旦那はもう大人だから、彼の気持ちは彼が自分で昇華していくものとして、娘が義母のせいで傷つかないように。