あの日々を私は一生忘れない。シンガポールに入国するまえの心細い気持ち。そして入国してからのホテルの1室に2週間缶詰した、あのサバイバルゲームを。
シンガポールに入国して、ホテル隔離の間に、外部と唯一接触できる手段、それが差し入れ。
旦那はもちろんのこと、友人達からの差し入れで心温まり、大げさではなく何度も涙した。
そう、隔離中は軽く精神状態が不安定になる。
隔離がやっと終了し、晴れてシンガポールの地をどうどうと歩けるようになったけど、私はそれからシンガポールに入国する知り合いのことを、異様なほど気にする人になった。
隔離中にうけた優しさを、今度は自分が返したい。あのドラマ風に言うならば、「恩返しだ」と使命感さえ持ちながら。
ということで、自分が隔離中に差し入れされて嬉しかったもの、友人たちに差し入れして喜ばれたものを、ここに記す。
差し入れて喜ばれたもの
仕事関連でお世話になった男性編(40代)~1人でホテル隔離
酒類(ワイン、ビール)、ナッツ類のおつまみをつけて喜ばれたのはもちろんのこと、ワイングラスを一緒に差し入れたのが喜ばれた。
5つ星クラスのホテルなら、ワイングラスなど部屋に備え付けがあるかもしれないが、彼の泊っていたホテルは冴えないホテル。
酒類は自分でもオンラインで買えるけど、2週間のためにわざわざグラスまで購入はしないだろう。
自分の家にあった割れても申し分ない程度のものを、ホテルを出るときには捨てて構わないので、という感じで差し入れたのが正解だった。
友人夫婦(30代)と2歳の子供と2か月の赤ちゃん編
うちの旦那は酒好きな友人旦那に、酒類を差し入れると言ったので、私は止めた。赤ちゃんと子供と一緒の隔離で、酒好き旦那に酒差し入れして、子守しないで酔っぱらってたら奥さんがかわいそうではないか。
友人には頼まれたもの色々差し入れはしたけど、終盤になって「2歳の子供がぐずってばかりいて、怒ってしまう自分も辛い。」と胸の痛くなるメールをもらった。
そこで、2歳の子供の暇がつぶせそうな、おもちゃやパズルや絵本を差し入れたところ、本当に喜ばれた。
高級おもちゃでなくてもいいので、軽くて時間がかかりそうな迷路とかのおもちゃがいいかもしれない。
うちの旦那の友達の奥さん編(女・40代)~1人でホテル隔離
私は旦那の友人の奥さんには会ったことがないので、どんなものを差し入れれば喜ばれるか考えるのが難しかったが、旦那が世話になってる友人の奥さんだ。何か差し入れしたい。
お菓子とか食べ物にプラスで、いい香りのするロクシタンのボディクリームと、韓国フェイスパックを差し入れた。
そしてフェイスパックが本当に喜ばれた。1人で暇だったけど、フェイスパックをして優雅な気分になれたわ、と。
私が嬉しかった差し入れ
ちなみに私が差し入れされて嬉しかったもの。
友人の手作り料理。お稲荷さんを食べて涙した。
友人の手料理と一緒に入ってたロクシタンの赤ちゃん用ベビーソープとボディクリーム。
冷蔵庫の調子が悪い、と言ったら旦那から届いたクーラーボックスと、その中の冷えたコロナビールとライム。
まとめ
シンガポールで2週間ホテル隔離のさなかにいる人たちは、人に飢え、人の優しさに敏感になり、そして人のありがたさに気づく。少なくとも私は。
だから、これからも、知り合いが隔離されたと聞くと、「ホテルはどこ?部屋番号教えて?」と確認して差し入れにいくのだ。
おせっかいばばあとよばれようが、かまわない。