2週間ほど母がシンガポールに遊びに来ていたので、めいっぱい遊んだ。
10年私がシンガポールにいる間に、もう5回以上は遊びに来ている母。
チリクラブや、屋台や、ローカルっぽい食べ物や観光地にさほど興味のない人。
それよりも、日本食の買えるスーパーに驚き、日本では味わえないラグジュアリーなところで飲み食いをし、それを楽しむ。
なので今回は、セントーサ島のシャングリラホテルに親子3世代でお泊りしたり、Montiでマリーナベイサンズを見ながらランチを食べたりした。
私がアメリカに住んでるとき、カナダに住んでるとき、東京に住んでるとき、そしてシンガポールに住んでからも、すべての地に訪れている母。
昔は足が悪くて、足を引きずりながらも、私がどういう暮らしをしているのかを感じたいと、海外で飛行機を乗り継ぎ、数十時間かけて会いにきた。
なにが好きだろう、と選ぶ時間が楽しいと言いながら、海外に送ってくれた荷物は100を余裕で超えるだろう。
ここ数年、今年70歳になる母と別れるときはいつも「これが最後かもしれないな」なんて縁起でもないことを思う。
昨日まで元気だったのに、急に寝込んじゃった親戚や、知り合いの話をよく聞くから。
母と、母の娘の私、そして私の娘。
3人で過ごした日々は、私は母と娘の境界線でゆるやかに幸せだった。
母とシンガポールの空港でバイバイした後、娘のベビーカーを押しながら、静かに泣いた。
こんなにも自分の味方でいてくれる、親友のような人。わがままを言っても、甘えても、すべてを受け入れてくれるのを知っているから優しくしたいと思えるような。
また、すぐに会える。