今回の一時帰国、楽しみな反面、不安があった。
酒を飲まずに過ごせるか。
数か月前からお酒を飲んでいなくて、きっかけは顔のアレルギーだったんだけどね。
飲まないことでアレルギーが収まったし、心が穏やかになっていたから、一時帰国中も飲まないことを目標にしていた。
夏の北海道で。
大通り公園のビアガーデンで。
海で山で、バーベキューで。
実家では、札幌クラシック様と冷えたグラスが待っているだろうね。
旅のはじまりの空港で。
娘がやっと寝たあとの飛行機の中で。
酒を飲まない?この、私が?
お酒を飲める年齢になってから、ずっと飲んできた。
自称酒好き、自称酒豪。
楽しい日はもっと楽しく。
しんどい日は少し楽になるように。
お酒は、いつも私の生活の中にあった。
一度、つらいことがあって数か月禁酒したことがある。
でも、その時は「ザ・我慢」。
頭がおかしくなりそうなくらい、我慢していた。
でも今回は違う。酒を必要としない自分に気づき始めていた。
シンガポールでは、酒飲み仲間とのバーベキューも、シャンパンバー貸し切り送別会もしらふで乗りきった。
少しずつ「飲まない自分」の実績が積みあがっていくけれど、それでも不安だった日本一時帰国。
だって、大学生の時に家を出てから、実家に戻るときに飲まなかったことがない。
私は二十年以上続けていた習慣を、断とうとしているのだ。
一時帰国中、「ちょい飲みセット」とかいうビールとおつまみセットをながめながら、カフェラテを頼んだ。
実家の冷蔵庫の中でいつも冷えてるプレミアムモルツを横目に、炭酸水を飲んだ。
飲んでいないのに、環境の変化からか顔のアレルギーが出て、心が折れかけた日もあった。
酒好きの母には「お医者さんに止められてるわけじゃないんだから、飲んじゃえば?」
なんて言われたりもした。
誰にも褒められなかった。
でも私は飲まなかった。
大通りのビアガーデンでは、初日に家族を誘ってノンアルビールを飲んだ。
親友との焼き鳥屋でも、ノンアルビール。
海ではかき氷を食べ、道の駅ではソフトクリームを食べた。
ビアガーデンでは、娘と何十回も滑り台を滑る元気があった。
親友とは、お酒がなくても笑い合えた。
いつでも車を運転できた。
とても、とても幸せだった。
依存というほどではない。
でも、二十年以上続いた習慣を生活から切り離すことは、思う以上に大変なのだ。
自分だけがわかればいい。
自分だけが好きな自分であればいい。
