COCOA'S BLOG

常夏シンガポールより発信中

駐妻に間違われたいのに、住み込みメイドに間違えられちゃったって話をしよう。

娘が10か月をむかえ、母親業も板についてきたじゃないか、と自負していたこの頃。

 

イタリアと日本の血を持つ、ハーフの娘のベビーカーを押し街を歩いていた時のこと。

 

 

1歳くらいの子供を遊ばせていた、白人のお母さんに「かわいいね。」「何歳なの。」等と話しかけられ、子どもにまつわる世間話を楽しんだ。

 

白人のお母さんに、「本当にかわいいこね。この子のお父さんとお母さんは何人なの?」という風に聞かれたとき、確かに「ん?」とは思った。

 

なんで、この子のお父さんとお母さん、という言い方をするのだろう。この子のお父さんは何人?お母さんのあなたは何人?と聞けばいいじゃないか。

 

ただ私は、英語が第一言語でもないので、こういう言い回しなのかな、と思い「イタリア人の父親と、日本人の母親です。」と伝えた。

 

当然私は、白人のお母さんが「日本人の母親=私」と思っているという前提で、その後も少しだけ世間話を楽しんでいた。

 

「この子は離乳食はあまり食べず、でもバナナだったら1本食べるんですよ。」と母親らしき発言をし、白人のお母さんは、「あら、バナナ1本も食べるの!?」と笑ったではないか。

 

「最近この子は胃腸炎になり、心配で。。」という、さらに母親らしき発言もしたはずだし、「歩き始めるのが楽しみなの。」という母親が子供の成長を待ち望む発言だってした。

 

白人のお母さんは、自分が雇うヘルパーの話をいくつかした後、「子供や小さい子までが最近コロナにかかってるから心配よね。私はうちの住み込みヘルパーに、念のため家でもマスクするように言ってるの。念のためよ、念のため。」と話し、

 

あなたの雇い主さんたちは、あなたに家でマスクするように言ってくる?」とにっこりと私に問いかけてきた。

 

その時になってはじめて、「あ、今までこの人、私のことを住み込みのヘルパーだと思ってたんだ。」と悟った。

 

この人はいまのいままで、一体私を何人だと思っていたのだろう。

 

何人かはどうでもいいけど、この赤ちゃんの母親である可能性は1ミリもなく、住み込みでイタリア人と日本人夫婦のもとで働き、その赤ちゃんを散歩させてるヘルパー、だと思われていたのだ。

 

私はどうしても言えなかった。気まずい空気が流れてほしくなかった。この白人のお母さんの笑顔を壊さないために、私はヘルパーになりきる道を選んだ。

 

「私の雇い主は、私に家でマスクをするように強要することはないわ。」とヘルパーになりきって言い切り、その後「Bye」と軽やかに言いその場を去った。

 

私のなりたかった立ち位置は、「駐妻によく間違われるけど、実は国際結婚してる日本人女性。」だったのに。

駐妻どころか、日本人とさえ思われず、住み込みヘルパーに間違えられた。

 

帰宅し一連の出来事を旦那に話すと、その日から毎日バカにされるようになったけど。

 

駐妻には間違われないけど、住み込みヘルパーには間違われる自分で別にいいのだ。

 

これからも娘を相も変わらず、愛していけばよいだけだ。

 

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