ねえママ、なんでお仕事をしているママもいるし、していないママがいるの。なんでアンティ(ヘルパー)がいる家族と、いない家族があるの。
ここ数年、何度も何度も娘に聞かれたこと。
いろんなおうちがあるんだよ、と優しく諭す日々は過ぎ、「だーかーらー、いろんなうちがあるんだよ!」とイラっとした返しをしたくなるほどに、ほんとに何度も聞かれた。
娘は私にずっと一緒にいてほしいから、聞いてくること。
ママが迎えにきて、ママが送りに来て、ずっとママと一緒に、ずーっとママ。
娘が3歳まではヘルパーもいなく、仕事もしていなかったので、私がずっと一緒だったけど、ここ数年はどっぷりとシンガポールの文化に溶け込んで、私は仕事をしながら娘の送り迎えや食事の用意など、ヘルパーに頼っている。
娘はそれが気に食わない。
ママがやって。ママがいい。あの子のママはずっと一緒にいてくれるのに、なんで私は。ママ、ママ、ママ。
こっちだって、忙しいのに。仕事の時以外は、ずっと一緒にいるじゃない、と、何度思ったか。責められてるような罪悪感とともに。
先週、5歳と4カ月を過ぎたころの娘が、朝仕事に行く準備をしている私に「ママ、ままがおしごとに行くときは、ちょっとさみしくなるけど、でもママがすごいかっこいいから嬉しいの。」って。「わたしもママみたくかっこよくおしごとしたい。」って。
え。それ、ワーママが言われて一番嬉しいやつじゃん。
毎朝の「ママ行かないで」攻撃の時をこえ、尊敬するっぽいこと言われてんじゃんー。
私が会社員として働きはじめることに、もちろん葛藤もあった。
娘の寂しさも、私の不安も。でも、選んでよかった。
娘よ、寂しい思いはさせてるかもしれないけど、働く女の背中を見ててくれ。
