お酒の楽しさに気づいたのは、20歳くらいのときだろう。
アメリカで学生だった私は、酔うと英語が話せることに気づいた。今となっては、ただ単に緊張がほぐれ、気が大きくなることで、英語が話せるように思ってただけなんだけど。
それからは、他人とコミュニケーションをとる手段として、若さゆえの盛り上がりの手段として、そして年をとるにつれて、酒は、一人でリラックスをする手段として、嫌なことを忘れる手段として、私の生活の一部になった。
あれから20年、妊婦の時以外はだいたいお酒と一緒に夜を共にした。
酒におぼれることはほぼなかったし、痛い失敗をしたこともほぼない。
1人の夜はだいたいビールを1~2杯。晩酌の友として。
週末に友人と飲むときはビール数杯、ワインをグラスで数杯。
こんな量、大したことないし、私はお酒を上手にコントロールできていると思っていた。
今年にはいってすぐ、とても辛く悲しいことが起こり、私は食事ができなくなり、眠れなくなった。
そして、アルコールの摂取量が増えていった。
辛い自分を許してあげるように、こんな辛いんだから酒の量が増えたってかまわない、と、言い訳に言い訳を重ね。
眠れないものだから、夜遅くまで飲み、朝方起きてしまったら、また飲む。ご飯はのどを通らないのでその代わりにビールを飲んだ。
気分は落ち込む一方で、体は重くなる一方で、娘にイライラすることも増えてきた。
ある日の週末、飲みすぎた翌日、二日酔いの頭痛と共に3歳児と一緒に1日を過ごした時、娘の無邪気さや愛くるしささえをうざったく思った自分に嫌気がさし、酒を辞めた。
あれから、昨日でちょうど1か月。まるまる1か月私はお酒を1滴も飲んでいない。
この1か月で、いくつかの飲み会を炭酸水で乗り切り、ワインと絶対に合いそうなステーキディナーを、モクテルで乗り切り、スシローでは温かいお茶を頼み、焼肉はコーラで食べた。
そして、数日前のブルーノマーズコンサートは、ポカリを飲みながら盛り上がった。
ビールがなくても、ワインがなくても、食事はおいしいし、友人との会話はたのしいし、イベントは盛り上がれるということを知った、41歳の春。
娘にはイライラしなくなったし、私は自分のことを好きになった。
とても辛いことは、いつかの段階でいずれここに書こうと思うけど、辛いことも自分が変われるきっかけになったと受け入れることさえできるようになった。
こう書くと、まるで私がアル中から立ち直ったアラフォーの痛い女っぽい感じだけど。
たぶんお酒は過去20年で一生分飲んだ。
あとの数十年は、おいしいデザートや食事に執着していきたいと思ってる。
断酒して、1か月のきろく。
I am sober という、断酒を応援するアプリまでインストールして頑張った笑