常夏シンガポールより

おもしろイタリア人と国際結婚、シンガポール在住6年目のCOCOAの気持ちをつづります。

全てを治せる中国の名医に、漢方を処方してもらう

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私が流産してから、ほぼ全てのシンガポール人に言われるのが、「中国の医者に見てもらったか。漢方は処方してもらったか。

彼らの中では、中国医療は絶対的であり神だ。血の巡りをよくしてもらって次は元気な赤ちゃんが産まれるように、絶対行くべきだ、と。

 

はいはい、行ってみる行ってみる、ではすまされないのが中華系の押しの強い優しさ。「うちのおばさんが行ってる医者を紹介する」「私が見てもらってる医者は素晴らしい」「生理不順が治った」「不妊だったのに授かった。」「疲れやすかったのが治る。」と、彼らのサクセスストーリーを毎日聞かされていると、中国の医者に治せない病なんてないんじゃないか、という気になってきた。

そして予約まで入れてくれ、「ベイビーが来てくれる漢方を処方してやってくれ。」と電話口で言ってくれた。会社の電話で、仕事中に。 

 

 

数ある漢方名医の中から、私が行ったのは、G&G TMC。ここで漢方を処方してもらった友人が、20年以上生理不順だったのが治ったと絶賛していたのだ。

 

はじめての漢方ドクターは、白衣ではなく、中国服を着ていていかにも中国人という雰囲気をかもし出している初老だった。

私が彼に「実は、流産してしまって、次は元気な赤ちゃんを産みたいのでなんとかしてください。」とお願いすると、初老は私を見ながら、「あんた、最近色々考えすぎてるでしょ。疲れが顔に出てるよ。」とドヤ顔で言ってきた。

 

それ、大抵の大人にあてはまる!しかも最近流産したんだ、とたった今カミングアウトした私が元気はつらつだと思いますか?

 

続けて初老は、私の脈を取るといって私の腕の脈を彼の指で押さえながら、目を閉じた。5分くらい目を閉じていたので、一体何がわかるのだろうと期待していると、急に目をカッと開け、チョー!! トー!!クー!!と中国語で叫んだ。

それを聞きながらアシスタントと呼ばれる小太りのおばさんが冷静にメモを取る。

そして初老は私にむかって「血の巡りがよくない。病を呼び寄せてしまう可能性がある。」と深刻に言った。

 

え、なになにどんな病?

 

私の不安そうな表情に満足した初老は、「大丈夫。鍼治療で血を巡らせよう。」と優しく微笑んだ。

このままだと病気を呼びつけてしまうであろう私の全身に、鍼が刺されていく。

コーヒーも、お茶も、冷たい水も、もちろんアルコールも禁止され、飲み物は「白湯」のみを飲むようにいわれた。

お菓子などのジャンクフードはもちろん、肉を食べることを禁止され、調理した魚と野菜を食べることを強要された。

そしてしまいには、仕事を辞めないとよくならない、と言われ、「絶対にきく」という漢方を処方された。

 

鍼治療と相談費と漢方の費用しめてSGD130(約10,000円)。

言われたとおりの生活をはじめたら、漢方なんてなくたってそりゃあ健康的になれるわ。続けて通うように言われたけど、私はもう行かないだろう。

 

中国医療は、日本人の神頼みとか、パワースポット巡りに似てるかな、と思った。

 

処方された「絶対に妊娠できる」漢方薬は驚く程苦く、飲んだのはその1度きりになったし、肉も食べビールも飲み、仕事は続けているけれど、時間がたつと私は元気を取り戻した。

 

シンガポール人の友人に、漢方薬飲んでるか、と聞かれた時に、「家で毎日飲んでるよ。苦いけど効きそう!」とウソをつくのだけが心苦しい。

 

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