COCOA'S BLOG

常夏シンガポールより発信中

フランス人に生き方を完全否定された話

先日、ブランチに招かれたフランス人夫婦の家で、フランス人友人の旦那に、私は生き方を全否定された。

 

「君は住み込みでメイドを雇わないのか」聞かれたので、私はチーズを頬張りながら軽い感じで、「メイドは雇わないよ。私が子育てをしながら、旦那の会社を手伝うスタンスでいくんだ。」と言った。「保育園にはたぶんいれるけどね。」と。

 

そうしたら、フランス人友人旦那は急に私を悲しい、同情に満ちた顔で見つめ、「I don't respect how you live your life」と言ってきた。

 

え?何度も今言われたばかりの英語を、日本語に訳し、頭の中でなんて言われたかの確認する。

 

僕は君の生き方を尊敬できない。」って言われませんでした?

 

 

私、今、まっすぐに目をみて、生き方を、完全に、否定された?

 

どうしよう。。と思い、旦那に助けを求めるべく彼を探すが、外で他の友人たちとタバコを吸いながら、大声でおしゃべりしている。全く頼りにならない。

 

部屋にはフランス人友人の旦那と、私と、赤ちゃんのみ。

 

一瞬、日本人パワーでへらへら笑いながら「I don't know」とでも言って、その場しのぎをしたいところだけど。

 

ぐっと思いとどまり、チーズを飲み込みワインを一口すすって議論の姿勢にはいる。「I don't really understand what you mean by that. Can you explain what do you mean?あなたの言っている意味はよくわからない。説明してもらえる?」と。

 

海外で生活をして、多様な人種の人間と対等に議論するすべは身に着けた。議論は喧嘩ではなく、意見を伝え合うことだ、ということも。

 

ひるんだら、そこで議論に負ける。目を泳がせた時点で、相手に見くびられる。

 

けっこうな強めの口調で「説明してもらえる?」と聞いたのに、相手はほら、全くひるまずに、むしろ嬉々として「なんで私の生き方を尊敬しないのか。」を説明しだした。

 

彼曰く、人生は、日々の生活は赤ん坊のためにあるのではない。赤ん坊が、大人の生活に合わせるべきなのだ、と。母親が仕事をしているしていないに関わらず、経済的余裕があるのなら、住み込みメイドを雇い、自分の生活を確保するべきだと。

 

そして私に、「君は自分の子供に依存している。」と言い放った。

 

がーん。

 

なんというべきか、彼の言わんとしてることはわかる。THEフランス人的な考えではなかろうか。

 

彼の言おうとしていることは、彼の意見として受け入れはするけれど、だからといって私の生き方は私が決めていくのだ。

 

「あなたのいいたいことはわかるけど、私は別にそう思わないし、自分が赤ちゃんに依存しているとも思わない。だからこれでいいの。私が住み込みメイドを雇いたくないのは、見ず知らずの人とずっと一緒にいようとは思わないだけ。この考えは文化の違いからきているのかもしれないけど、それでいいじゃない。」と返した。

 

文化の違い。Cultural Difference。

 

異文化の人と議論する時に、「あんたにはわからないかもしれないけど、文化の違いだからしょうがない。」という言い方は結構役に立つ。

 

私の返答に、フランス人の友人旦那はあっさりと、「そうか。」と言って、話題を変えた。

 

意見交換、議論に慣れてない私は、それこそ全パワーを使い果たし、自分の想いと考えを伝えたのに。

 

普段の会話の中で、常に議論をしているフランス人にとっては、たった1つの話題にしか過ぎなかったのだ。

 

つかれるけど、相手に合わせる会話より、相手の出方を見ながら話す会話より、想ったことを言いあう会話は、やっぱり楽しい。

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