常夏シンガポールより

2014年シンガポール渡星。シンガポール在住イタリア人と国際結婚。現在子育て中。

心配性の母に勝つ方法~コロナウィルス

コロナウィルスについて

世界中で脅威の威力で広まっている「コロナウィルス」。いったいいつまで続くんだろう。。と傍観していたけど、まだまだ広がりを見せている。

シンガポールでは現時点でおよそ100人弱がコロナウィルスだと診断され、コロナウィルス警告レベルが、イエローから一段階あがったオレンジという段階になった時、ローカルスーパーマーケットから食料品が消え、食料品の配達サービスは予約できず、中国からの物流がストップし、軽いパニック状態になった。

 

街中からマスクや除菌関連の品物が消え、フィットネスジムを経営する私たちは、毎日走り回って手の消毒スプレーを探し回った。

ついには、明らかにそれ自分で作ったよね、というようなアルコール消毒液が路上で売られていて、そこに長蛇の列ができていた。戦後の闇商売ってこんな感じだったのかしら。

 

私も旦那も、はじめこそ見えない恐怖に怯えたりもしたけれど、最低コロナウィルスにかかっても死ぬ確率は少ないこと、お腹の赤ちゃんに感染した例もないことから、自分たちのいつもの生活をまっとうしよう、他に考えなきゃいけないことは山ほどある、という結論に至り、毎日を過ごしていた。

 

コロナウィルス~過剰な心配をする母

そんな私の気楽さを、こころよく思っていない人物がいた。母だ。母はコロナウィルスにかかった人が何人増えたよ、という報告を常にしてきて、それに対し、このウィルスがどれだけ怖いか、妊婦の私がどれだけ気を付けるべきか、日本政府のコロナウィルス対応の悪さをののしった。

 

「ついに子供までコロナウィルスに感染したよ。10歳の!札幌で!怖い!気を付けて。」と警告のメールを送ってきたけど、私は母の子供ではあるけど10歳の子供ではない。

そのあと、この子供の回復力がはやく、治りが早かったというニュースをみたので、「子供だから免疫力あるから早く治ったんだね。」と返信をしたところ、母は心底不服そうだった。

もしも私が、「え!子供までコロナになったの!?怖いよーどうしよう。ずっと家にいたほうがいいだろうか。ねえママどうしたらいいだろう。」とうろたえたらどうだったろう。

「ちゃんとマスクして、うがい手洗いして、人の多いところには行くんではないよ。」とあたりまえのことを私に伝え、安心しなさい、と言いたかったのではないか。

 

メディアに影響される母

メディアに影響される人がよくいる。私の母だ。

コロナウィルスの前は東出の不倫騒動に影響された。彼女は東出を急にけなしまくり、「あんちゃんがかわいそうだわ。」と見ず知らずの人物に同情した。

 

特に日本のメディアは、私たちを洗脳するかのごとく、毎日毎日同じことを、専門家を交えて、繰り返し繰り返し流す。

朝のニュース番組でも大半は日本で起こったエンターテインメントゴシップ。違う番組にしても、司会者がお笑いタレントか、ジャニーズかに代わるだけで、同じゴシップに、ふわふわスカートのアナウンサー達がコメントする。

 

そういう繰り返しの毎日を過ごしていると、なんとなく東出というイケメンは、殺人犯でもあるような錯覚におちいってくるんだろう。

 

私がシンガポールから日本に帰国する、ごくわずかな時間でも、繰り返し見る朝のニュースを見ていると、これが私たちの周りで起こっていることの全て!と思ってくるから、ずっと北海道の田舎で還暦を迎えた母が影響される気持ちもわからなくはない。

 

漠然とした心配をする母

 私は9.11アメリカのニューヨークでテロがあった時、アメリカに留学していた。母は私に今すぐ帰ってこい、と言い続けたが、私が住んでいたのは飛行機で6時間以上もかかる西海岸の田舎町だった。

あんまり治安のよくない学生街で、テロなんかよりも、牢獄から逃げ出したというレイプ犯に怯えてた。

結局私はアメリカにその後6年住んだ。

 

東日本大震災があった時、私と弟は東京で働いていた。母は私たちに今すぐ帰ってこいと命令し、それでも東京に居続ける私たちを、軽く頭がおかしい人呼ばわりした。

結局私はその後2年東京に住み、地震とは関係ない理由でシンガポールに移住したし、弟は今でも東京に住み続けている。

 

コロナウィルス騒動は、母をまた「脈絡もなく過剰な心配をする人」にした。来月里帰り予定の私に「飛行機に乗るのは危ないから帰ってくるな。」といい、「千歳空港で発症者が出たからぜったいあんたもかかる。」と言い切った。

まるで私だけを狙った狙撃団が千歳空港で私を待ち構えてるかのような言い方だ。

 

それに対し、具体的な解決方法は何もない。あるのはただ、何をするにも「なんとなく危ないんじゃないか、リスクがあるんじゃないか。」といった漠然とした不安。

 

それが母が子供を想う気持ちだというのも十分理解できる。だから私はいつも明るく「大丈夫だって、心配しないで。」と言っていた。

ただ、そういえばいう程、「あんたは何も考えてないお気楽人間だ。」「友達と遊ぶな。」「もうすぐ母になるのに危機感がない。」と彼女の過剰な心配は、私への非難と形を変え、エスカレートしていった。

 

私は方向転換をした。

 

逆に母を不安にさせる

「大切な人を心配させないように、明るくふるまう。」「ポジティブなことをいう。」ような私の言動は、相手を安心させるどころ、さらなる心配をさせていたらしい。

 

私は、「大切な人を思い切り心配させるよう、暗くふるまう。」「ネガティブなことをいう。」を実践してみた。

 

「ママ、心配するから今まで言わなかったんだけどね、シンガポールでコロナウィルスが発症している人がわかる地図を送るね。見てわかると思うけど、私が住んでいるところが一番発症者が多くて、毎日不安だよ。日本に里帰りするべきなのかも考えると眠れなくて。

でも、生活もあるし、赤ちゃんがお腹にいたら感染しないということをいい方向に考えて、つらいけど、毎日精いっぱい生きてます。」的なことを、この地図を添付してメールした。

 

シンガポールの発症者がどこで発症したか、どこに行ったか、というシンガポールだから作成できるような恐怖心をあおる地図。

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そうしたら、

「シンガポールはそんな地図があるんだね。怖くてつらいと思うけど、応援するから、できることは何でも言ってね。サポートするから、日本にも安心して帰ってきてね!」と。ポジティブで私を思いやる返信がきたーーーーーー。

 

この時私は、「やっとこの人に勝った。」と思った。

 

心配性の母に勝つ方法

今まで誰かに相談したり、弱音を吐いたことがほとんどなかった私。それは、自分のことはなるべく自分で解決して、周りに迷惑はかけたくない、という他人に対する思いやりと自立心からきてたはずだが、心配性の人には思いきり頼って、甘えて、心配させてあげればいいんだ、ということにはじめて気づいた。

 

同時に、あと数か月で自分が母になった後、私はうざいほどの心配性になって、いつか娘に「心配性の母に勝つ方法」なんて悪口をブログでこっそり書かれたらどうしよう、そんなことをふ、と思った。

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